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人の姿も車もない静寂の上高地

例年、北アルプスの玄関口として多くの人で賑わう上高地(長野県松本市)は、静寂に包まれている。新型コロナウイルスの影響で、人の姿も車もほとんどない初めての事態ともいえる上高地の今。

画像:新型コロナウイルスの感染拡大防止のため全施設が営業休止になり、人のいなくなった上高地。中央は梓川に架かる河童橋=2020年4月28日、松本市、ドローンで長島一浩撮影

GW期間中、例年は早朝から多くの観光客を乗せたバスが連なる駐車場には、車両が1台も無かった=2020年4月29日、長野県松本市、杉本康弘撮影
GW期間中、例年は早朝から多くの観光客を乗せたバスが連なる駐車場には、車両が1台も無かった=2020年4月29日、長野県松本市、杉本康弘撮影

先月17日に冬季閉鎖されていた県道上高地線が5カ月ぶりに開通した。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、交通手段となる路線バスやタクシーは運行の休止や自粛を決めた。ホテルや旅館などすべての商業施設も営業休止に。人の出入りは閉ざされた。

人気のない河童橋=2020年4月28日、松本市、杉本康弘撮影
人気のない河童橋=2020年4月28日、松本市、杉本康弘撮影

河童橋からは標高3千メートル級の山が連なる雪化粧の穂高連峰が望めた。橋をドローンで上空から見下ろすと、人気のなさが一層際立った。岳沢湿原、大正池とふだんなら多くの人が満喫する風景も人の声はなく、野鳥のさえずりと川のせせらぎだけが響いていた。

穂高神社奥宮までの遊歩道では、代わりにニホンザルが姿を現した。周辺には約200匹が生息しているとされ、近年では観光客に慣れて、ふん害などが問題化。環境省が対策に力を入れているという。にぎわいはいつ戻るのか。

画像・文章は©朝日新聞デジタルより引用

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