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富士山山頂直下 登山道の石積崩壊 復旧工事の検討・調査が始まる(山梨県)

富士山の山頂直下、吉田口登山道の山側斜面の石積みが崩れ、登山道の一部が岩で覆われ塞がっています。山開きに間に合うよう、山梨県などによる復旧工事の検討・現地調査が6月中旬から始まります。

登山道の「一部が塞がっている」のであって「道が崩れて無くなった」「上から岩が崩落するので危険」ということではありません。また、復旧工事が始まった訳でもありません。

石積み崩落の現状

山梨県側からの吉田口登山道の頂上にある「久須志神社」の前の石積みが広い範囲にわたって崩れ落ち、一抱えほどの溶岩石で登山道の一部、幅およそ1m程度の登り一方通行、迂回ルートの無い一本道が塞がれています。

右:登山シーズン中の同地 / 左:崩れた石積で塞がった登山道
右:登山シーズン中の同地 / 左:崩れた石積で塞がった登山道

崩壊は昨年10月上旬に接近した台風の影響によるもので、「登山シーズンは終了している」こと、さらに「11月~5月は積雪が多く現場は雪に埋もれていた」ことなどから、これまで半年以上の間復旧作業は手付かず、全くの放置状態。

現在、山開きに向けて登山道の除雪作業が進められており、頂上付近の雪どけも進んだことから、山梨県などは崩落の規模などを調査する計画をまとめ、6月中旬から現地に職員を派遣、調査が行なわれます(現場はまだ雪に埋もれているそうで、「これから調査」ということ)。

山梨県は「工事が遅れた場合、7月1日の山開きと同時に山頂に登れない可能性もあるが、“登山者が多く通過する地点なので安全を最優先したい”」としています。また、山梨県世界遺産富士山課・課長は「現時点で7月1日に間に合うかどうかはなんとも言えない。できるだけ早く工事を終わらせたい」と発言されています。

今は雪に埋もれていて現状を確認することすら出来ないのですから、現状としては具体的な復旧について触れることは不可能です…

シーズン・登山への影響

必要以上に話題を煽る一部メディアによる記事と合わせ、「頂上へは登れない?!」「予約している富士登山ツアーは中止になる?!」と思った人も多いようで、実際「どうなっているんだ」「大丈夫なのか」と電話での問い合わせも多々あります。

ゴロゴロと石が転がっている状態だと、踏んだ石が動いて転ぶ、足首を挫くなどの危険性は高まりますから、行政等としては「石の除去」は必須、さらなる崩壊の防止と歩行路幅の確保のために「石を積みなおす」必要もあります。

国立公園であり世界遺産であるが故、コンクリートで固めるなんてことはもちろん、別ルートを新たに設置、強引に重機を入れることすら難しいそうですから、これからの雪解けと調査次第では、もしかすると山開きには間に合わないやも知れません。

登山道の崩壊、台風、残雪…どれも自然が相手なのですから仕方ありません。ただ、冷静に考えると、ある程度管理されているとは言え富士山も“山”であり、道は“遊歩道”ではなく“登山道”なのですから、極端な言い方をすれば「登山道が崩れている」「道の一部が塞がっている」なんて事はあって当然、「日常」と言っても過言では無いのです。

実際、2009年の山開き時には「残雪が多すぎて8合五尺より上へは登れなない」こともありましたし、現時点では「影響は無い」と言いきれません。

また、山開きの時期は例年“梅雨真っ只中”。台風の接近など、荒天で復旧作業が思うように進まない可能性もあります。

吉田口登山道の開通見込み

とは言え、現場は富士山頂上を目指して毎年16万人前後の登山者が利用する人気の登山ルートの頂上直下。五合目から頂上までの間にある数多くの山小屋や施設は、登山シーズンの営業を生活の糧としています。世俗的な言葉遣いになりますが「早期に復旧できなければ商売あがったり」、または「風評被害が心配」な関係者も少なくありません。当社のような富士登山ツアーを取り扱う旅行会社も広い意味でその一員…

復旧作業の状況などについては、6月中旬以降随時公表されます。
関係者は「是可否でも早期に復旧させたい、人海戦術も辞さない」、行政も「復旧させなければならない」と、懸命に取り組んでいます。落ち着いて今後の進捗を見守る以外にありません。

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登山道の復旧について心配なら、7月半ば以降の出発を選べばより安心かと。

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富士山頂付近現場画像は2018年10月上旬。提供©富士山奥宮境内地使用者組合